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資料集新キャンパス委員会による成果

元岡遺跡群(第7、12・15次調査地)の取扱いについて 平成12年5月23日

平成12年5月23日
 新キャンパスにおける埋蔵文化財の発掘調査は、福岡市教育委員会によって平成8年3月から実施されている。同委員会から、平成11年6月14日に「元岡遺跡群第7次調査地」の調査結果が報告され、さらに、平成11年12月10日に「元岡遺跡群第12・15次調査地」の調査結果が報告された。

 九州大学では、これらの報告を受けて、新キャンパス計画専門委員会の下に設置した文化財ワーキンググループにその取扱いについて検討を依頼し、平成12年2月4日に別紙のような見解が提出され、平成12年2月18日の本委員会に報告された。こうした一連の経過を踏まえ、本委員会は、新たに判明した「元岡遺跡群(第7、12・15次調査地)」について下記のとおり取り扱うものとする。



1. 元岡遺跡群第7次調査地について
 今回の発掘調査により検出された建物群及び木簡などから、鉄生産関係の公的施設の遺跡と考えられ、何らかの保存活用が望まれるが、面積が広大であり、保存活用のための復元と保守管理に多大な費用と労力を必要とするとの専門家の意見を踏まえ、現地の地下遺構を破壊しない施設計画を策定し、現地に遺構の配置、発掘状態、遺跡の性格・意義などを解説したプレートを設置する。

2. 元岡遺跡群第12・15次調査地について
 今回の発掘調査により出土した製鉄遺構及び木簡から、30基ほどの製鉄炉が密集する規模的には九州最大で全国的にも最大級の製鉄遺構であり、律令国家による経営を示唆するものと考えられ、その学術的価値は高く、何らかの保存活用が望まれるとの専門家の意見を踏まえ、製鉄遺構自体を地下に保存するために、土盛りして、遺構の位置関係と構造を正確に復元して展示公開し、残りはキャンパス(農場の圃場予定地)として利用し、現状保存する。

 なお、製鉄遺構の全体と構造を視覚的に理解するためのレプリカ製作や映像資料化、展示公開の方法等について検討する。

3. 今後、他の製鉄遺構との関連調査による福岡市教育委員会の学術的評価に基づき、史跡指定等がなされる場合は、関係機関等と協議のうえ、本学として、その取扱いについて見直す。
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