九州大学新キャンパス Kyushu University New Campus
新キャンパス計画キャンパスと周辺地域移転情報資料集
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資料集新キャンパス委員会による成果

第Ⅱ工区の造成条件変更に伴う環境影響の追加調査について(中間報告) 平成13年1月30日

環境ワーキンググループ
平成13年1月30日
 九州大学では、新キャンパス用地の調査内容と造成に伴う周辺への影響予測に関する本WGにおける検討をもとに「九州大学新キャンパス統合移転事業環境影響評価準備書」を平成11年11月にとりまとめ、住民説明及び1ケ月間にわたる準備書の公開等を行い、その結果を「同環境影響評価書」としてとりまとめた。福岡県では、これを「福岡県開発事業に対する環境保全対策要綱」(S48施行,H12.4改正)に基づいて実施したアセスメントと位置づけている。
 九州大学では、「環境影響評価書」における環境管理調査計画に基づき、予測結果の不確実性を補填することおよび事業実施後の環境影響の有無について、その程度を監視するため、平成12年度より、「新キャンパス環境監視委員会」を設置して、環境監視調査の検討を行っている。
 平成12年度に検討中の新キャンパス・マスタープランの策定に伴い、第Ⅱ工区部分の変更が提案されることとなるが、環境影響評価書には、知事意見に対する事業者見解のなかで、「予測等に用いた計画諸元に変更があった場合には,必要に応じて調査を行い,適切な措置を講じるとともに,その結果について福岡県並びに関係市町に報告する。」としており、第Ⅲ工区部分の変更は、土地利用に関する計画諸元の変更にあたると判断される。したがって、第Ⅲ工区部分の造成基本設計策定と並行して必要な調査を行い、本WGで検討する必要がある。
 この調査は,あくまでも九州大学が自主的に行うものであり,その手法や内容について法的制約等はないが、その結果については福岡県,福岡市,前原市及び志摩町に報告する必要がある。
 本WGでは、平成12年12月の時点で明らかになっている計画諸元をもとに、その環境影響について検討をおこなっているので、その概要を以下の通り中間報告するものである。
 なお、現時点では、その評価条件等が確定できないものがあるが、それらについては、今後、造成基本設計の作業と並行して行う。

中間報告
(1)騒音・振動(建設機械による)
第Ⅱ工区の造成範囲が、南側の民地に近いことから、建設機械の振動・騒音に関する予測を行っている。その結果、至近民家の一部の屋内で、評価基準を上回っている。今回追加した地点以外に、既に評価基準を上回っている地点が他にあったこともあり、有効な対策を講じる必要がある。
(2)水質
第Ⅱ工区の調整池(1号,2号,新調整池)の集水区域に変化があるため、水質の予測評価を行っている。今回も、SS除去率は,降雨強度が大きくなるほど低くなるが9時間降水量10mm/h以下の場合は,いずれの調整池も85%以上の除去率が確保できるものと予測され、前回の評価との差はないものと考えられる。
(3)水環境(水文・水利用)
土地造成工事による雨水流出量の変化の程度はいずれの流域も現況の1.3倍と予測される。各工事区域の流未には福岡市,福岡県の防災基準に基づいた調 池を設置することから治水への影響はないものと考えられる。 将来的な土地利用の変更による雨水流出量の変化の程度は現状の1.2倍と予測されるが,雨水浸透施設を設置するなどにより1.0倍まで低減され,現状と変化はないものと考えられる。
(4)地下水
造成計画および土地利用計画の変更部分に関し、移転後の地下水シミュレーションを行っている。第Ⅱ工区の造成形状の変更による地下水への影響は軽微であると予測されるが、その水位・水質を継続的に観測をするなど、造成中も注意を払う必要がある。(環境監視項目の一つに挙げられている)
(5)土壌環境(地形)
Ⅲ工区からⅢ工区への土の移動をしないものとする場合,Ⅱ工区により発生する土量は93万m3程度と予測される。なお、この土量に関しては,今後の埋蔵文化財の取り扱いや地下の岩盤の状況,さらには工区間の土砂の移動等により変化する可能性がある。
また、地形形状・建物配置の変化が与える風の影響について考慮する必要がある。
(6)陸生植物
第Ⅱ工区の造成範囲の変更に伴い、陸生植物の影響調査を追加して実施した。ムヨウラン属の一種、7個体が確認されるなどしているので、これらの保全すべき種については、移植を行うことで検討している。なお、ムヨウラン属のうち、九種がレッドデレタブックに記載されている。(この種については、現時点では未同定である)
(7)土砂搬出車両による交通騒音・振動、および大気質
搬出する土砂の量や、その運搬ルートの設定に関しては、埋蔵文化財の取り扱いや周辺市街地の交通状況を十分に勘案しながら決める必要があるが、環境面への影響を減らすことを目標に、できるだけキャンパス用地内で土砂を使用するように努めるとともに、周辺のまちづくりの動きを考慮しつつ地元や関係自治体との調整を図り、土砂搬出車両の走行距離をなるべく短くするなどの方向で検討していく必要がある。
そのため、これらの課題解決の方策を鋭意検討するとともに、造成基本設計の 策定作業と並行して、車両の走行に関するアセスメントを行うこととする。
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