九州大学新キャンパス Kyushu University New Campus
新キャンパス計画キャンパスと周辺地域移転情報資料集
ホーム >>資料集 >>地区基本設計:造成基本計画 >>2. 土地造成基本計画基本条件
資料集計画案関係

<<前のページへ

造成基本計画 平成10年5月

2. 土地造成基本計画基本条件

造成基本計画は、以下の条件を遵守する。
1. 地形、地元(周辺集落)等との関係から必要となる条件
(1)緑地の保存(関連図表:図1
キャンパスの緑地は、周辺との緩衝緑地としての機能が必要であり、保存される緑地の森林率が確保される必要がある。

■緩衝緑地
キャンパス周辺から景観上重要な緑地となる。緑の連続性を持たせ周辺地域との緩衝機能、防災機能をあわせ持ち、その中に樹木見本園、標本園、モデル林、 植物園、生物群集、景観生態研究林等を計画することにより、研究にも大きく 寄与するとともに、周辺地域(特にエリア南側の元岡、山手集落)に対する飲 料等生活用水(井戸水)、水源涵養林の機能を持たせる。

■保存緑地
新キャンパス用地の開発行為は、森林法に基づく福岡県林地開発基準により、保存緑地として敷地面積の25%以上の森林率を確保する必要がある。
(2)地形との関係(関連図表:図1図2図12
用地全体が標高 1~120mの丘陵地形であり、東西に小山がある他は、谷筋は耕地による開発が 進み、それらの間に尾根が入り込む地形である。また、用地中央を横断する南北の分水嶺と東西 の分水嶺があり、周辺集落(元岡、桑原集落等)は生活用水として井戸水、農業用水として地表 水、井戸水の双方を利用している。従って、造成計画にあたっては、これらの水の保全に十分配慮した計画とする。
(3)河川(大原川)と湧水源(関連図表:図11
用地内には大原川(2本に分岐)とその湧水源がある。大原川については、1本にまとめることも考えられるが、各所で湧水があることが地元から提示され、付け替えを行えば湧水量が減少 し、周辺農業地帯に灌漑用水不足等、多大な影響を及ぼすことが考えられるため、付け替えは行 わない。湧水源は地元の貴重な水資源となっているので、背後地の森林を保存する等、極力影響 を及ぼさない計画を行う。

また、自然環境に配慮するため、大原川上流の湧水源西側の大規模な埋め立てをせず、沢の大部分を残す造成を行い、自然地形をできるだけ残す。

 
(4)県道 桜井太郎丸線とキャンパスの接点(関連図表:図1図6
開放的キャンパスづくりの一環として、「大学の顔」を明快にする必要から、桜井太郎丸線と キャンパスの接点をオープンカット方式とし、A・B地区とC・D地区などとの連結によるキャ ンパスの一体性をもたせるために、ペデストリアンデッキ等によって車道と交差せずに人と自転 車でA・B地区とC・D地区などとの移動ができるよう配慮する。
2. 大学での既決定事項
(1)埋蔵文化財との関係(関連図表:図4
用地内には、前方後円墳6基、円墳68基等の古墳が確認されており、試掘調査等の中間報告を基に、九州大学内外の研究者及び関係機関から慎重な意見聴取を進め、「九州大学新キャンパ ス基本構想における埋蔵文化財の取扱方針」が平成9年7月30日の将来計画小委員会において 以下の通り決定された。その方針を遵守する。

■「九州大学新キャンパス基本構想における埋蔵文化財の取扱方針」
  • 6つの前方後円墳のうち、塩除、金屎、池の浦、峰、及び元岡古墳群I群1号墳の5基については開発対象外とする。
  • 石ヶ元古墳群については、30基の内17基を現状保存、13基を記録保存とする。
  • その他の円墳38基の内18基を現状保存とする。
  • 水崎城の中心的遺構及び馬場城の南側遺構については、現状保存とする。
(2)幹線道路(関連図表:図6
(仮称)学園通線及び周回する補助幹線道路のルートについては、福岡市から提案のあった3 つの案の内、案3(学園通線:既存の桜井太郎丸線を拡幅し、大学敷地北西部の運動施設ゾーンを横断する。)ルートとする。

なお、幅員や縦断、及びA地区東側を周回する補助幹線道路等については、今後、大学の施設 計画等をにらみながら、道路管理者、地元等とも協議を行い決定していく。
(3)防災調整池(関連図表:図11
水崎川、大原川(福岡市域内)流域の防災調整池の計画は、管理者と協議した結果、福岡市域 内については、「福岡市開発指導技術基準」で行い、杉山川(志摩町域内)については、福岡県の林地開発基準及び河川課の基準を比較して、容量の大きい方により計画を行う。
3. その他の条件
(1)有効敷地の展開方法について(関連図表:図6図11
  • 柔軟性のある施設展開をおこなうため、造成を行わない緑地や自然地形を利用した建物の建設も考慮する。
  • 流域河川の一つである水崎川の抜本的改修が平成9年度から事業に着手しているが、改修が終われば、防災調整池は大幅に縮小できると考えられる。
  • 農場地区(G地区)は造成を行わず、極力現況の地形を利用して、農場敷地面積の確保を図る。
(2)造成勾配(関連図表:図7図8図9
造成勾配は、自然地形を残しながら造成するため、2%~5%の勾配となる。
【断面図】
(3)土量バランス(関連図表:図6
残土搬出入は、工事費の増加につながるばかりでなく、工事用車両の増加による地元住民への 交通安全の影響が懸念されるため、土量バランスを極力確保する。
(4)市道 桑原水崎線(環境局道路)の付け替え(関連図表:図6
  • 本路線を残すとなるとアカデミックゾーンと交流ゾーン(A地区)が分断され地域に開かれた 大学づくりができない。
  • 本路線は、糸島半島北部にあるゴミ処分場への搬入道路として整備された道路であり、大型車 の交通量が多い。そのため、振動、騒音により大学の教育、研究活動への悪影響が十分考えられる。
以上の理由により、本路線は大学エリア東端に付け替える。
学内へのアクセス道路(関連図表:図6
都市計画道路から公共交通機関や乗用車及び自転車での大学へのアクセスを図るため、メイン の道路として下記の学内道路を計画する。
  1. 既存のバスルートを生かし、(仮称)学園通線からバスルートを確保する。
  2. アカデミックゾーンE地区と(仮称)学園通線の連結を強化する。さらに(仮称)学園通線 とE・F地区を結ぶ南北道路を整備する。
  3. 農場(G地区)へのアクセスと前原市側からのアクセスを確保する。
主要地方道福岡志摩線~農場地区(G地区)~アカデミックゾーン
▲ページの先頭へ