九州大学新キャンパス Kyushu University New Campus
新キャンパス計画キャンパスと周辺地域移転情報資料集
ホーム >>資料集 >>計画案関係:新キャンパス基本構想 0次案
資料集計画案関係

<<前のページへ次のページへ>>

九州大学新キャンパス基本構想(0次案)の概要について 大学広報NO.819(平成6年7月5日発行)

キャンパス用地及びその周辺の概況

1.位置及び用地概況
■位置
キャンパス用地は糸島半島中央東寄り、JR筑肥線今宿駅から北西へ約5km、周船寺駅から北北西へ約3kmに位置する(図1)。
■用地の概況
用地は、全体で 275haの一団の土地である。その内約 243haが福岡市西区の元岡、桑原地区、約31haが志摩町、1haが前原市に位置し、その概要を表1に示す。
■周辺の状況
用地周辺の南から東側の沖積平野、及び一部北側の谷沿いで、農地としての利用が進み、北及び西側の隣接地は山地あるいは丘陵地である

表1. 新キャンパス用地の概要
事 項
大学用地
面積
標高
(標高差)
土地利用状況
地権者数
埋蔵文化財
農地
山林・
その他
元岡・桑原地区
約243ha
121m~5m
(116m)
約100ha
約143ha
692人
包蔵地14ヵ所約13ha
志摩町桜井・
馬場地区
約31ha
119m~36m
(83m)
約7ha
約24ha
110人
S.56調査では包蔵地なし
前原市泊地区
約1ha
85m~40m
(45m)
約0.1ha
約0.9ha
7人
包蔵地はなし
合計・備考
約275ha
121m~5m
(116m)
約107.1ha
約167.9ha
796人
(重複を除く)
約13ha


※(図2)キャンパス用地の区域図

2. 気象
 九州全体から見れば、平均気温、年間降雨量、日照時間が少ない。しかし、我が国の他地方と比べると、温暖で、比較的天候に恵まれた地域であり、概ね北部九州の気候上の特色をそのまま持つ。

3. 地形及び地質
■地形
大部分が糸島平野を南に望む小起伏丘陵地で、一部東側に平野部がある。石ケ岳(99m)から石仏山(108m)を経て北西に延びた標高100~120mの尾根部は分水嶺をなし、福岡市西区と志摩町及び前原市との行政界でもある。また、石仏山の北北東約350mの地点から金比羅山(77m)を経て、用地の中央部を東西に走る尾根がもう1つの分水嶺を構成する。
■地質
表層地質は、三郡変成岩、糸島花崗閃緑岩、段丘礫層及び沖積層からなる(図3)。三郡変成岩は西北西から東南東にかけて桑原地区を中心に走向分布し、用地東北部の一部を占める。西から東にかけては糸島花崗閃緑岩が分布し、用地の大部分に露出すると共に、北東部で三郡変成岩の下に貫入している。北部の谷筋には段丘礫層が、東部、南部の隣接地には沖積層が広がる。
■断層
花崗閃緑岩を切る北東から西南方向に走る小規模で、落差50cm程度の正断層が認められるに過ぎない。
■地震
記録上は1898年の糸島地震のみで、地震に関し極めて安定している。
4. 土質及び土壌
 北東端の一部(緑色片岩)、開析谷(第四紀堆積物)を除く用地の大部分の地盤は風化花崗岩(マサ土)及び風化変成岩(赤土)である。

5. 植生及び動物


○残すべき貴重な植物 (群落)は、現時点では必ずしも明確ではないが、ほとんど見当たらず、また、あっても小規模であると考えられる。
○糸島地区には福岡市動物生息状況調査報告書によると、哺乳類17種、爬虫類11種、両生類12~13種類が生息していると推定されているが、特に貴重な動物は見られない。
○本地域は鳥類にとって比較的好ましい生息環境下にあるが、福岡市動物生息状況調査(鳥類)報告書によると、特に保全すべき鳥類に関する報告はない。

6. 治水・利水
○開発によって利水上直接影響を受けると考えられるのは、用地内4ケ所、用地外5ケ所のため池である(図4)。
○大原川については、キャンパス下流にも水田耕作地があることから、潅漑用水の利用の有無を確認する必要がある。

7. 埋蔵文化財
 用地内及び周辺には、図5に示す埋蔵文化財包蔵地と遺跡地が確認されている。遺跡のほとんどが用地の南側斜面に点在し、北側斜面及び東部には見受けられない。なお、図に示す4地区に対する現時点での見解は以下のとおりである。


[1地区] 細長い谷平野で、桑原飛櫛貝塚遺跡以外の遺跡は知られていない。
[2地区] 比較的険しい丘陵地帯であり、遺跡は見当たらない。
[3地区] 丘陵地帯であり、多くの古墳が点在している。
[4地区] 南西側から続く低丘陵地の末端に当たり、いくつかの古墳と共に、約半分を占める低丘陵部に遺跡地が広がっている。

また、1981(昭和56)年の志摩町文化財調査では、志摩町側用地内には埋蔵文化財は1つも確認されていない。

8. 土地利用の規制及び土地利用の現況
(1)土地利用の規制
■市街化調整区域
 用地の福岡市及び前原市側は市街化調整区域である。志摩町側は都市計画区域であるが、市街化区域と市街化調整区域とは未線引きである。

■農業振興地域
 用地全域にわたり、農業振興地域に指定されている。

■森林地域
 用地内に森林地域が指定されている。また、土砂流出防備保安林1.82haが指定されている。

■砂防指定地
 用地の北側の大原川、南側の下の谷川、神子浦川、坂の谷川には、砂防指定地があり、大原川、下の谷川、坂の谷川に砂防ダムが1基づつ設置されている。

■自然公園地域
 用地内に自然公園地域は指定されていない。
(2)土地利用の現況
用地内はほとんどが山林、農地である。周辺の元岡地区と桑原地区では、南側の田畑地から北側の斜面にかけて住宅が散在している。
9. 交通施設及び交通の現況
(1)道路網と道路交通の現況
○用地にかかわる幹線道路体系を図6に示す。広域幹線道路の国道202号及びそのバイパス、西九州自動道が都心の天神地区及び前原、唐津方面とを結んでいる。

○これら幹線道路と用地とは約3~5kmの距離にあるが、この間を県道船越元岡横浜線及び県道桜井太郎丸線が結ぶ。また、用地内東部を通過して新西部埋立地への連絡道路が整備中であり、あるいは、主要地方道福岡・志摩・前原線からのアプローチも可能である。

○用地を周回する道路として、北側に県道桜井太郎丸線及びその延長上の市道、南側に県道船越元岡横浜線がある。また、西側では、県道宮の浦前原線からのアプローチも可能である。

○用地内道路として、中央やや東寄りで用地を横切る県道桜井太郎丸線と、東側の新西部埋立地への連絡道路、その他に複数の農道がある。
(2)鉄道及びバス
■鉄道
 国道202号に平行してJR筑肥線が走っており、福岡市内の地下鉄とは相互乗入れを行っている。

■バス
 国道 202号線に、福岡~唐津間の幹線バス路線が通過している。

■バスアクセス
 現時点のバスアクセスとして、直接的には今宿~前原間の野北線及び泊線がある。また、用地から約1km東に外れるが、主要地方道福岡・志摩・前原線上に西の浦線がある。

▲ページの先頭へ