九州大学新キャンパス Kyushu University New Campus
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九州大学新キャンパス基本構想(0次案)の概要について 大学広報NO.819(平成6年7月5日発行)

土地利用計画

1. 土地利用計画の基本的考え方
 基本理念の5項目と、それに対する基本方針の諸内容の実現を目指して、以下の基本的な考え方の下で土地利用計画を立案する。

■各組織間の関連性を踏まえ、その相互交流に基づいた総合大学としての一体性を探求する。その一方で学部・部局が創意工夫によって独自に展開する固有性にも十分配慮し、与えられた土地及び環境条件の下で土地利用を計画する。

■大学の施設は、中枢管理及び共通、広範な共用、限定的共用、研究・教育、福利厚生、その他に大別できる。これらのうち、中枢管理及び共通、広範な共用施設は、大学全体 からの利用に便であることが望まれ、キャンパスのコアゾーンを形成する。研究・教育施設はいわゆる大学の第一線であり、それらの施設空間がアカデミックゾーンとなるが、その中には限定的な部局間共用施設も含まれる。福利厚生施設、その他は適度に分散し、幾つかのサブゾーンをなすものと考えられる(図8)。

■農場は、所要面積、使用区分、土壌、水使用及び水利権、周辺環境、周辺の土地利用状況及び計画、大学施設配置等を考慮して、位置、内容、規模を検討する。

■地域の自然的、地形的環境を考慮して計画する。具体的には、用地南側は、集落等が点在することから、現況を維持し、集落との緩衝、学内の緑地環境の創造、環境の保全に役立てる。また、用地内のため池や河川の水量保持、環境保持に配慮する。さらに、用地東南部から周船寺、今宿方面にかけては、将来都市的な土地利用が考えられ、そのことを十分考慮する。

■用地周辺の公道の整備及び利用と、用地内公道・里道の存廃、付替え、新設ならびに有効利用とを十分に検討する。また、キャンパス内の自動車交通は、交通安全、交通公害、研究・教育環境の質的向上等の観点から極力排除することが望まれる。一方、275haの広さと地形的要因から、用地内各地点間の移動上の利便性の確保が要求される。このような相反する要望に応えるためには、キャンパス内外の自動車交通のあり方について十分検討し、その上での道路体系と、公共交通機関の導入方法とを配慮する。

2. 土地利用計画
前節までの諸内容と次章の土地造成計画を踏まえた土地利用計画は次のとおりである。

(1)農場用地の配置
キャンパスは全体として東西に展開する。農場によってキャンパスを分断しないという観点から、農場用地を求めると、①東部、②西南部、③北西部が考えられる。
それぞれに問題があるが、キャンパスの土地利用及び周辺の環境条件から、①は避けるべきであり、②と③が検討対象となる。しかし、両者いずれもが農場に必要な水の確保に難点があり、今後に慎重な検討が必要である。
(2)キャンパス計画
西側の尾根部から東側の平野部へと下がる地形条件を生かし、平野部へのビスタを考慮しながらキャンパス計画を立案した。
  • 「1. 土地利用計画の基本的考え方」に示す基本的考え方を配慮し、中央部に広場を設け、これを囲む形で一般教育のための施設、大学事務局や図書館、計算機センター等の共通、共用施設を配置する。
  • 用地東側は、将来的に市街地からアクセスすると考えられる。従って、この位置に交流ゾーンを設け、市民との交流が可能な施設を配置し、内外に開かれたキャンパスを実現する。
  • 用地西側は既に開発の手が入っており、将来は十分土地造成が可能である。
  • 用地内には4ヶ所のため池がある。これらは、利水や集落との関係等を配慮しながら、修景的な活用などを工夫する。
  • 用地内に1ヶ所ある湧水は、用地内及び周辺の各ため池の水源となっている。そのため、湧水地点とその背後の丘陵部はキャンパス内の自然公園等として活用する。また、文化財等の取扱いについても慎重に考慮する。
  • 用地の南側に今宿、前原等の市街地があり、また、都心との連絡を考慮すると、キャンパスへのアクセスは、主として南側からになる。

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